佐々木幹郎先生(オペラ「紫苑物語」台本作家)を囲む会に参加する

●2019年4月1日(月)、日本を代表する詩人のお一人、佐々木幹郎先生を囲む会に出席した。場所は「学び舎 遊人」(東方学会新館2階)、主催は音楽ジャーナリストの井内美香さんだ。佐々木幹郎先生は、本年2月に新国劇場で上演されたオペラ「紫苑物語」の台本を書かれた方。今日のテーマはもちろんこの「紫苑物語」。日本から世界に発信したこの新作オペラに大きな衝撃を受け深い感動を覚えた私にとって、これほど嬉しいことはない。
なお、私が「紫苑物語」を観たときの記事はこちら

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●佐々木幹郎先生は、とても気さくで楽しい方だ。ユーモアを交えながら、1時間以上にわたって、台本作家という立場から「紫苑物語」について熱く語られる。作曲家西村朗氏との出会い、同氏と行ったこれまでの仕事、そして本題である「紫苑物語」の構想から上演に至るまでの数々のエピソードなどだ。登場するのは、お二人に加えて、指揮者の大野和士氏、演出の笈田ヨシ氏、監修の長木誠司氏。5人のメンバーの方々の間の意見がどう分かれ、そしてそれがどのように議論され解決に至り、最終的に作品としての形となったのか、その過程がとても興味深い。なぜオペラが婚礼の場で始まるのか、なぜオペラでは藤内が陰陽師という設定なのかなど、いくつかの疑問も氷解していく。

●佐々木幹郎先生のお話の後は井内美香さんからの感想や質問など。佐々木幹郎さん曰く「井内さん鋭い」。彼女の質問は、佐々木幹郎先生と演出の笈田ヨシ氏と意見が食い違いながらも已むを得ず妥協した部分であったのだ。この後は本来は参加者全員から各々の感想を語るはずであったが、時間が押してしまい、感想はこの後の食事会でということに。どうしても食事会に行けない私は、この場で感想をお伝えした。新作オペラの初演しかも初日に立ち会えて幸せに思う。舞台は色彩的に美しく音楽にも違和感がない。劇場では気付かなかったが後日NHKの放映を見て言葉の大切さも強く感じた。機会あればまた是非見たい。等々。

●なお、佐々木幹郎先生にお会いできるということで、著書二冊を事前に読んでこの場に持ってきた。岩波新書の「中原中也~沈黙の音楽」(2017)と「東北を聴く~民謡の原点を訪ねて」(2014)だ。前者は、中原中也の詩の秘密をその創作プロセスから解き明かそうとする異色の評伝で、中原中也の研究では他の追随を許さない佐々木幹郎先生ならではの意欲作。後者は、東日本大震災の直後に、津軽三味線の高橋竹山(二代目)とともに被災地の村々を行脚した静かな感動を呼ぶ稀有な紀行文。素晴らしいサインをいただき大感激だ。

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●今日は、佐々木幹郎先生から直接お話をお聞きすることができ、とても素晴らしい時間を過ごすこととなった。最後になったが、本会を主催し私を呼んでいただいた井内美香さんに心から御礼申し上げたい。

以上

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