本能中枢劇団『リボンの心得』を観る

●2011年6月18日(土)、こまばアゴラ劇場(駒場東大前)で、本能中枢劇団の第3回公演『リボンの心得』を観た。いわいる演劇とは全く異なるもので、なかなか興味深いステージであった。
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●劇団ホームページによれば、本能中枢劇団とは、2007年に解散した劇団ベターポーヅの主宰の西島明、俳優の猿飛佐助、吉原朱美、舞台美術のふくいくが中心となり、2009年結成。「物語ること」に代わるシーンを「物語」に対する「部分」や「カケラ」のように並べ、見る快感と解釈を要しない至福感へと観客を導いていく。 とある。

●私がこの劇団の公演を観るのは今回が初めてだ。他の公演でたまたま受け取ったチラシに、「振付:山田うん」とあり、山田うんさんのファンとしては一度見ておく必要があるなと思い、出かけてみたという経緯。山田うんさんは、コンテンポラリーダンス界を代表する振付家・ダンサーの一人。私も、彼女が主宰するカンパニー・Co.山田うんによる2008年3月『カエル』(茅ヶ崎市民文化会館)、2010年3月『ショーメン』(スパイラルホール)などの公演を通じ、その魅力に、すっかりはまってしまっている。

●まずは、主たるメンバーを確認しておこう。(敬称略)
◇作・演出: 西島明
◇振付: 山田うん
◇出演:  猿飛佐助、田辺茂範(ロリータ男爵)、高松泰治(ゴキブリコンビナート) 、宮下今日子、吉原朱美、信川清順、鵜沼ユカ
なお、宮下今日子さんは、小野寺修二氏の『あらかじめ』(2009年3月・青山円形劇場)での颯爽とした演技が未だに強く印象に残っている。

●『リボンの心得』には、ストーリーらしいストーリーはない。次々と繰り出される短いコントのようなパフォーマンスの連続だ。その速さたるや、観客に考える時間すら与えないほどだ。一つ一つのパフォーマンスを言葉で説明すること自体、あまり意味がないし、これから観る人の興をそぐので控えておく(公演は6月26日まで)。ただ、いづれも、いわいる常識から少し外した感覚や視点から、体そのもの、体の動かし方、物の存在、物の使い方などに新しい光を当てようとしていることは確かだ。体や物だけではない。幾度か挿入される「言葉遊び」のセンスも抜群に良い。ここには、小難しい理屈などさらさらなく、観客は、いわば無防備状態のまま、「可笑しみ」「滑稽さ」「面白さ」を感覚的・直感的に受け取ることになる。文字通り、「本能中枢」を刺激されているのかも知れない(笑)。

(以下、若干のネタバレあるかも)

●ダンスの場面は確か3回あったと思う。最初の美しいピアノ曲に合わせて踊るダンスは、これこそ正に山田うんさんの世界だ。開いた両手のひらを合わせて押し出す仕草、細かく手刀を切る仕草、両腕を前に突出し交互に上下する仕草など、ある種、定番ともいえる独特な動きがとても心地よい。森永エンゼルパイの歌「♪だあれもいないと思っていても、どこかでどこかでエンゼルは~」で踊る元気の良いダンス、「高砂や~」の謡で踊る舞、これらも本当に面白い。おそらく出演者の方々も楽しかったに違いない。

●本能中枢劇団の創り出す不思議な世界。なかなか魅力的だ。これからも、欠かさず観ていくことにしよう。

以上

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