テーマ:文学

『皇后美智子さまのうた 』(朝日新聞出版)を読み直す・・・バーミアン石仏破壊を詠った歌ほか

●2017年10月19日(日)、今、『皇后美智子さまのうた』(2014年朝日出版社刊)を読み直している。この本は、画家の安野光雅氏が、ご成婚55周年を機に、天皇皇后両陛下が詠まれた歌の中から133首を選び、解説をそえたもの。挿入された美しい草花のスケッチも美しい。 ●私は、和歌については全くの門外漢だが、たまたま2015年…
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我が家の排水管清掃完了、小川洋子著『お料理教室』を思い出す

●2011年8月9日(火)、我が家の排水管がすっかりきれいになった。先日、施工業者の方がアフターケア点検に見え、いろいろと調べて回った後、喫緊の課題として、「配水管がかなり詰まってきているので、早急に掃除をした方が良い」とのことだったので、さっそくお願いしたのだ。台所や風呂場など生活排水が流れ込む所の全て(除くトイレ)が対象となる。 …
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朝吹真理子著『きことわ』を読む

●2011年6月8日(水)、朝吹真理子さんの『きことわ』を読んだ。最初に「文芸春秋2月号」で読んだのは3月上旬で、感想を書こうと思っていた矢先に東日本大震災が起きた。同時受賞の西村堅太氏の『苦役列車』(当方のブログ記事はこちら)ならまだしも、『きことわ』の世界と震災の悲惨な現実とがあまりにかけ離れていて、筆をとる気分にならないまま3ケ月…
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絲山秋子著『ばかもの』を読む

●2011年6月5日(日)、絲山秋子さんの『ばかもの』(新潮社)を読んだ。なんと切なく美しい小説なのだろう。絲山さんは私が大好きな小説家の一人だ。小説の発表順とは少し異なり、『沖で待つ)』『イッツ・オンリー・トーク』『海の仙人』『エスケイプ/アブセント』と読み進めてきて、この小説で5冊目になる。(もしよろしければ、こちらのブログ記事もご…
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西村賢太著『苦役列車』を読む

●文芸春秋(2011年2月号)で、話題の芥川賞受賞作、西村賢太氏の『苦役列車』を読んだ。特異な作風の小説である。好きな人と嫌いな人にはっきり分かれるかもしれない。私は、とても面白く感じた。ただ、読後感は複雑だ。 ●著者の西村氏は、自ら「私小説書き」を任じており、小説の90%は自身が経験した事実であると語っている(インタビュー)。そ…
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カルロス・ルイス・サフォン著『風の影』を読み直す

●カルロス・ルイス・サフォン(訳:木村裕美)の『風の影』(文春文庫)を読んだ。初めて読んだのは、2006年に発刊された時。あまりの面白さに二晩で読んでしまったが、今回は、はやる気持ちを抑えつつ、時間をかけて味わってみた。そして、あらためて、この小説の持つ魅力に圧倒されてしまった。 ●物語の舞台は、1945年、フランコ独裁政権下のス…
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絲山秋子著『沖で待つ』を読み直す

●絲山秋子さんの『沖で待つ』を読んだ。2005年下半期の芥川賞受賞作。文庫化された際に初めて読んでから、まだ2年も経っていないが、つい先日、『海の仙人』を読んで、感想をブログ(→こちら)に書いていたら、なぜか無性に読み直してみたくなったからだ。何度読んでも面白く、読後に心が透き通るような感覚は変わらない。 ●主人公の「私」(及…
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伊藤たかみ著『八月の路上に捨てる』を読み直す

●伊藤たかみ氏の『八月の路上に捨てる』(文藝春秋)を再読した。この小説は、2006年に第135回芥川賞を受賞したもの。心に沁みる小説とは、こういう小説のことをいうのだろう。当時、初めて伊藤さんの小説を読み、以来、私が最も好きな作家の一人となった。 ●佐藤と水城は、二人一組で、清涼飲料水の自動販売機の商品を補充するルート配送の仕事を…
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絲山秋子著『海の仙人』を読む

●絲山秋子さんの『海の仙人』(新潮文庫)を読んだ。絲山さんの小説は、2006年の芥川賞受賞作『沖で待つ』(文春文庫版)を読んで、ファンになった。以来、少しずつ、大事に読み進めている。『イッツ・オンリー・トーク』(文春文庫版)に続き、この作品で3冊目になる。 ●三億円の宝くじが当たり、仕事を止め、敦賀に引き込もりひっそりと暮らす…
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中島敦著『山月記』を読み直す

●中島敦の『山月記』を読んだ。おそらく20回目ぐらいかと思う。最初に読んだのは、高校生の頃。現代国語の教科書に載っていた。その後、大学1年の時に新潮文庫の『李稜・山月記』を買い、以来、他の収録作品(名人伝、弟子、李稜)とともに、繰り返し読んで来た。ネットで見ても、私と同じような人が沢山いるようだ。 ●中島敦(1909年-1941年…
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朝井リョウ著「桐島、部活やめるってよ」を読む

●「桐島、部活やめるってよ」(集英社)を読んだ。とても面白く感じた。著者の朝井リョウ氏は、現役の大学生(早稲田大学文化構想学部)で、2009年、この小説で「第22回小説すばる新人賞」を受賞し、一躍時の人となった。NHKの週間ブックレビューにも本人が出演し、この小説を書いたきっかけ、狙い、自身の高校生時代のことなどを語っていた。ご覧になっ…
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大江健三郎著「治療塔」を読み直す

●大江健三郎氏の「治療塔」を読み直した。この小説は、1990年に岩波書店から出版されたもので、大江氏としては珍しくSF的な設定を行ったものとして、当時大きな話題になった。私がこの小説を読むのは、当初出版時以来、約20年ぶりとなる。なお、単行本は既に絶版となっているが、講談社文庫で読むことが出来る。 ●核戦争や原発による放射能汚…
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J・D・サリンジャー「ナイン・ストーリーズ」を読み直す

●J・D・サリンジャーの「ナイン・ストーリーズ」を読んだ。この短編集は、サリンジャーが、1949年から1953年にかけて発表した短編小説の中から、自ら9編を選び、年代順にまとめたものである。邦訳としては、野崎孝訳「ナイン・ストーリーズ」(新潮文庫)、中川敏訳「九つの物語」(集英社文庫)などがあったが、2009年に、なんと35年ぶりの新訳…
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綿矢りさ著「勝手にふるえてろ」を読む

●綿矢りささんの「勝手にふるえてろ」(文藝春秋)を読んだ。とても面白い。この小説は、文藝賞受賞作「インスツール」(2001年)、芥川賞受賞作「蹴りたい背中」(2003年)、「夢を与える」(2007年)に続く第4作目、3年ぶりの新刊になる。 ●今回は、26歳のOL良香が主人公だ。確か、著者自身の年齢と同じだと思う。良香は、この歳…
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高山樗牛著「滝口入道」を読み直す

●若いときに読み、心を動かされ、以降、幾度となく読み返す本がある。もちろん、時代の変化や、私自身の成長あるいは退化によって、次第に感動が薄れてしまうものもないではないが、一方で、少しも色あせない「宝物」とも言えるものも少なからずある。三島由紀夫の「春の雪」、大江健三郎の「洪水は我が魂に及び」、辻邦生の「背教者ユリアヌス」、高橋和己の「邪…
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笙野頼子著「二百回忌」を読み直す

●笙野頼子さんの「二百回忌」を、16年ぶりに読んだ。この小説は、1994年の三島由紀夫賞受賞作だが、当時の単行本(1994年刊・新潮社)、文庫本(1997年刊・新潮文庫)とも絶版になっており、現在では、2007年1月刊行の「笙野頼子三冠小説集」(河出文庫)に、「タイムスリップ・コンビナート」(芥川賞)、「なにもしていない」(野間文芸藝新…
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笙野頼子著「タイムスリップ・コンビナート」を読み直す

●つい先日の夜遅くのことだ。熟睡中に携帯がなって、ようやく出てみると、どうもスーパージェターのようだ。時折電話の向こうで、「流星号応答せよ、流星号~」と言っているのが聞こえたので間違いない(でも、二回目の「流星号~」は要らないね)。彼は、しきりと、笙野頼子の「タイムスリップ・コンビナート」を読めという。「昔読んだから」と答えても、「どう…
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J・P・ホーガン著「星を継ぐもの」を読む

●J・P・ホーガン著/池 央耿訳の「星を継ぐもの」(創元SF文庫)を読んだ。見事な構成、斬新な発想等、どれをとっても第一級のSF小説である。創元SF文庫の読者投票第一位とされるのもうなづける。 ●物語は月面から始まる。真紅の宇宙服を着た遺体が発見されたのだ。地球に持ち帰り調査をしたところ、何と5万年前のものとの結果が出る。生物…
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小川洋子著「原稿零枚日記」を読む

●小川洋子さんの「原稿零枚日記」(集英社)を読んだ。不思議な魅力に溢れていて、とても面白い。 ●これまでの小説とは異なり、原稿がなかなか進まない女流作家の1年間の日記という体裁をとりながら、日常の出来事を綴った長編小説だ。全部で26話からなる。 ●例をあげれば、次のような内容だ。 ・取材旅行先近くのF温泉で、店の主人の…
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青山七恵著「窓の灯」を読む

●青山七恵さんの「窓の灯」(河出文庫)を読んだ。ちょっと寂しいけれど、全然悲しくない、寧ろ、とても気持ちが楽になるような不思議な小説だ。 ●本作品は、2005年の文藝賞受賞作で、2006年下半期の芥川賞を受賞した「ひとり日和」の前作にあたる。いわば、彼女の出世作と言える。 ●主人公の「まりも」さんは、20歳前後の女性。大…
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赤染晶子著「乙女の密告」を読む

●赤染晶子さんの「乙女の密告」(新潮社)を読んだ。風変わりだが、とても魅力的な小説である。 ●舞台は、京都の外国語大学。ドイツ語スピーチのゼミを担当するバッハマン教授は、アンゲリカ人形をいつも携え、時に他の教授の講義に乱入する変わり者だ。教授は、ゼミの女子たちを「乙女」と呼び、彼女たちを「いちご大福」と「ウイスキー」のどちらが好き…
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青山七恵著「ひとり日和」を読む

●青山七恵さんの「ひとり日和」(河出文庫)を読んだ。とても良い作品だと思う。 ●この作品は、2006年下半期の芥川賞受賞作で、作者が23歳と若く、また選考委員の石原慎太郎氏や村上龍氏が絶賛したこと等から、当時、それなりに話題となったという記憶がある。また、異色の文芸評論家、斎藤美奈子さんも、朝日新聞の書評か何かで、やや斜め方向…
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