砂川涼子 ソプラノ・リサイタル(紀尾井ホール)に行く

●2019年12月5日(木)、「砂川涼子 ソプラノ・リサイタル」に行った。会場は紀尾井ホール(四谷)。砂川涼子さんは藤原歌劇団のエースであり、日本を代表するソプラノ歌手のお一人。今回のリサイタルは、今般、砂川涼子さんが初めてCDをリリースすることになり、それを記念して開催されることになったもの。何を隠そう、私は砂川涼子さんの大ファン。彼女の「Bel Canto」(注)と豊かな表現力に酔いしれる至福の時間を過ごすことができた。
(注)美しい歌声の意。今回のCDのタイトルでもある。

S 砂川さんリサイタル.JPG

●砂川涼子さんご本人以外の出演者もとても豪華。何とピアノ伴奏は近年活躍が目覚ましい指揮者の園田隆一郎さん、ゲスト歌手は実力派バリトンの上江隼人さん。園田隆一郎さんはCDでも伴奏を担当しており、二人の息はぴったりだ。

●曲目は、バロック・オペラ、日本の歌曲、そして砂川涼子さんがお得意なプッチーニのアリアなどバラエティに富み、ワクワクの連続で全く飽きることがない。改めて彼女のレパートリーの広さに驚嘆する。それでは、演奏順にその様子や感想などを記してみたい。

1.ヴィヴァルディ:
歌劇《ジェスティーノ》より”喜びをもって会おう”

砂川涼子さんのバロック・アリアを聴くのは初めて。しっとりとした豊かな声が心に沁みる。

2.ヴィヴァルディ:
歌劇《ポントの女王アルシルダ》より”私はジャスミンの花”

きらりと光る宝石のようなアリア。砂川涼子さんが歌うと一層輝きが増す。

3.ヘンデル:
歌劇《セルセ》より”喜びに満ちて小川は”

素朴な旋律ながら徐々に盛り上がる愛の歌。砂川涼子さんの高音がきれいに通る。ますます調子が出てきた様子。

4.ヘンデル:
歌劇《リナルド》より”なんて素敵な喜び”

つい先日《リナルド》を観て来たばかりなので、この曲は記憶に新しい。砂川涼子さんは実に軽やかに歌う。余裕すら感じさせる見事な歌いっぷり。

5.中田喜直:さくら横丁
砂川涼子さんは、一つひとつの言葉を大切にしつつ、流暢に語るかのように歌う。

6.別宮貞雄:さくら横丁
前曲とはまた違った味わい。緩急のメリハリが利いた曲。砂川涼子さんはドラマチックに歌い上げる。

7.ドナウディ:
《古典様式による36曲のアリア》より
~私は望みを失ってしまった
~いつかまた君に逢えるだろうか

~私は心に感じる
三部構成からなる美しくも悲しく、そして最後は微かな希望を感じさせる歌。砂川涼子さんは、歌に込められた思いを身体全体で表現し、心を込めて熱唱する。


8.ロッシーニ:ヴェネツィアの競艇
~第1曲 競艇前のアンゾレータ
~第2曲 競艇中のアンゾレータ
~第3曲 競艇後のアンゾレータ

ゴンドラレースに出場する恋人を見守る女性の心情を歌った面白い歌。さすが「歌う女優」の砂川涼子さん。身振り手振りを交えての大熱演。ロッシーニの第一人者である園田隆一郎さんの伴奏も一段とギアが上がる。

・・・ここで休憩。再登場した時の砂川涼子さんは鮮やかなサーモンピンクのロングドレス姿に変身。この後は、特にお得意なレパートリーから。

9.モーツァルト:
歌劇《フィガロの結婚》より”おいでください、膝をついて”

軽快でリズミカルな歌い方。コミカルな演技も秀逸だ。

10.ドニゼッティ:
歌劇《ドン・パスクワーレ》より”準備はできたわ””天使のように美しい”

ここでゲストの上江隼人さんが登場。砂川涼子さんの明るく澄んだ声、上江隼人さんの堂々たる歌唱。息の合った二重唱に観客席は一段と盛り上がる。この後、上江隼人さんはソロでも見事な表現力で観客を魅了した。

11.グノー:
歌劇《ファウスト》より”ああ、私が微笑んでいるのが見えるわ”

スイングするような歌い方、輝くような歌声。装飾的な歌唱も素晴らしいの一言。

12.ビゼー:
歌劇《カルメン》より”恐くないと言ったけれど”

ミカエラは砂川涼子さんにぴったりのキャラ。優しさの中の「芯の強さ」を感動的に表現。まさにBRAVA!

13.プッチーニ:
歌劇《ラ・ボエーム》より”あなたの愛の呼ぶ声に”

砂川涼子さんと言えばミミ、ミミと言えば砂川涼子さん。完全に役に成り切る姿に思わず息を飲む。終わった後の拍手も一瞬間(ま)を置いてから沸きあがる。

14.プッチーニ:
歌劇《トゥーランドット》より”氷のような姫君の心も”

リュウのこの有名なアリアも砂川涼子さんの十八番。芯が通った毅然とした歌い方で、リュウの真剣な思いがひしと伝わる大熱唱。もちろんここでもBRAVA!を連発。

・・・ここからアンコール。

15.ヴェルディ:
歌劇《椿姫》第2幕第1場より二重唱”天使のような清純な娘”ほか

この曲は20分近く続く長い二重唱。ヴィオレッタと父ジェルモンが一対一で対決する緊張感に溢れるシーン。砂川涼子さんと上江隼人さんの迫真の演技と素晴らしい歌唱に、会場からはため息が出るほど。まるで演奏会形式のオペラの一場面を観ているかのよう。アンコールと言うには余りに豪華な一曲であった。

●今日の砂川涼子さんのリサイタルは文句なしで素晴らしいものだった。今後益々のご活躍をお祈りしたい。

●なお、今般リリースしたCDも最高だ。繰り返し聴きたいと思う。

S 砂川CD.jpg

以上


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