NHK交響楽団定期公演(モーツァルト「ミサ曲」ハ短調ほか)に行く(2019年11月22日)

●2019年11月22日(金)、NHK交響楽団の第1926回定期公演に行った。場所はNHKホール。あいにくの雨天で渋谷駅からNHKホールまでの徒歩は少々しんどかったが、コンサート内容は大満足。ブロムシュテットが指揮するN響はやはり素晴らしいし、今日のプログラムはモーツァルト好き、声楽好きの私にとって最良のもの。帰りもまだ雨が降り続いていたが、今度は楽しい散歩となった。

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●それでは演奏順にその様子や感想などを記してみたい。

モーツァルト
交響曲第36番ハ長調K.425「リンツ」


●モーツァルトの後期交響曲は個性的な名曲が多いが、この曲も間違いなくその一つ。哀愁感漂う40番や壮大な41番に知名度で一歩譲るが、その素晴らしさでは全く引けを取らない。聴き慣れたメロディが次々と現れ、本当に心地よい時間が過ぎていく。

●ブロムシュテット氏は現在92歳。指揮者の中でも群を抜いて高齢だが、その指揮ぶりは矍鑠(かくしゃく)としていて全く衰えを感じさせない。基本的には派手さはなく堅実・堅確だが、時折、はっとするような流麗さや華やかさも現れ、聴く者を驚かす。

●NHK交響楽団は、こうしたブロムシュテット氏の指揮に忠実に従い、緊張感溢れる歯切れよい演奏を聴かせてくれた。

モーツァルト
ミサ曲ハ短調K.427


ソプラノⅠ:クリスティーナ・ランツハマー
ソプラノⅡ:アンナ・ルチア・リヒター
テノール:ティルマン・リヒディ
バリトン:甲斐栄次郎
合唱:新国立劇場合唱団(合唱指揮:冨平恭平)

●この曲は」「大ミサ曲」とも呼ばれ、演奏時間は1時間に迫る大曲だ。結局モーツァルトは完成に至らず、今日の演奏は補筆や校訂が行なわれた「ベーレンライター版」を使用。

●曲は、Ⅰキリエ、Ⅱグロリア、Ⅲクレド、Ⅳサンクトゥス、Ⅴベネディクトゥスの五部からなり、合唱、独唱、二重唱、三重唱、四重唱が絶妙な順序で登場し、神に対して、慈悲を請い、栄光を讃え、信条を告白し、そして再び栄光を讃え祝福する。その歌声の響きは圧倒的な存在感をもって聴く者の身体を包み込む。

●ソリストのレベルは非常に高く、特に女性二人が抜きんでていた。ソプラノⅠのクリスティーナ・ランツハマーさんは、輝くシルバーのロングドレスで登場。蔦かな声量、温かく丸みを持った声質、そして包み込むような歌唱法にただただ驚嘆する。一方、ソプラノⅡのアンナ・ルチア・リヒターさんの衣装は、鮮やかなすみれ色のロングドレス。彼女は、明るいトーンの華やかな高音が魅力的で、コロコロと転がす装飾歌唱も実に見事だ。2人の二重唱では、タイプの異なるソプラノが競い合い、寄り添い合う圧巻の展開となった。

●テノールのティルマン・リヒディさんは、やや地味ながら声は美しく安定感がある。バリトンの甲斐栄次郎さんの出番は最後のベネディクトゥスの四重唱のみだが、堂々とした重みのある歌いっぷりで存在感を示した。

●合唱は、さすが新国立劇場合唱団。力強さと繊細さの絶妙なバランスに聴き惚れ、奥行きが深く深みのあるハーモニーに圧倒される。

●この曲の主役はソリストと合唱だが、それを支えたのは、やはりブロムシュテット氏が指揮するNHK交響楽団。その荘厳で確かな演奏に大きな拍手を送りたい。

(余談だが)

●今日のチケットは、私の元の職場の同期でNHK交響楽団の定期会員でもある友人から譲ってもらったもの。席は最前列という特等席。今日はN響のコンサートにあまり行く機会がない私にとって素晴らしい体験となった。その友人に心から感謝申し上げたい。

以上

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