日本ヴェルディ協会講演会「ランカトーレ&ヴルタッジョ《ラ・トラヴィアータ》の魅力を語る」に行く
●2019年10月29日(火)、日本ヴェルディ協会が主催する講演会「ランカトーレ&ヴルタッジョ《ラ・トラヴィアータ》の魅力を語る」に行った。会場は九段下のイタリア文化会館アニェッリホール。ほぼ満員(約240名)の来場者(会員は無料、一般の方も2,000円で入場可能)は間違いなく大満足して帰られたはず。それほどクオリティが高く心に響く内容であった。
●本講演会は、トリエステ・ヴェルディ歌劇場来日公演を記念して開催されたもので、出演者は同劇場の公演に出演中のデジレ・ランカトーレさん(ヴィオレッタ役)とフランチェスコ・ヴルタッジョさん(ジェルモン役)に加え、伴奏者としてピアニストのロベルト・モレッティさんの計3名。司会は著名な音楽評論家で日本ヴェルディ協会常務理事の加藤浩子さん、通訳は音楽ライター/オペラキュレーターで日本ヴェルディ協会会員の井内美香さん。出演者だけでなく、進行に携わるスタッフも超一流のメンバーだ。
●豪華なのはメンバーだけではない。今日のプログラムが実に素晴らしいのだ。講演会の域をはるかに飛び越えた本格的な声楽コンサート、いやそれどころか、一瞬、演奏会系形式オペラの会場にいるような感覚にも。歌われた曲は以下の趙有名な3曲。
1.《ラ・トラヴィアータ》第3幕より、
ヴィオレッタのアリア「さようなら、過ぎ去った日々よ」
2.《ラ・トラヴィアータ》第2幕より、
ヴィオレッタとジェルモンの二重唱「天使のような清らかな娘を」
3、《ノルマ》第1幕より、
ノルマのアリア「清らかな女神」
●1曲目の「さようなら、過ぎ去った日々よ」はランカトーレさんが《ラ・トラヴィアータ》の中で一番好きな曲だという。悲痛な気持ちを切々と歌う渾身の熱唱に涙がでそうになる。2曲目の「天使のような清らかな娘を」は20分にも及ぶ大曲。ヴィオレッタとジェルモンとの緊張感溢れるやりとりに会場からは驚嘆のため息が漏れる。そして大きなサプライズが3曲目の「清らかな女神」。何とヴェルディではなくベッリーニの曲でなないか。実は、ランカトーレさんは来年6月のパレルモ・マッシモ歌劇場来日公演《ノルマ》のタイトルロールで出演する予定であり、今日は一足先にその最も有名なアリアを披露してくれたのだ。会場からはまさに割れんばかりの拍手とBRAVAの声。
●曲の合間のトークも実に興味深いもの。加藤浩子さんから投げかけられる「ランカトーレさんにとっての《ラ・トラヴィアータ》への想いとは?」「ヴルタッジョさんはジェルモン役(今回初めて)をどういうイメージで捉えているか?」「モレッティさんにとってソロ演奏と伴奏との取り組み方の違いは?」「ランカトーレさんにとって《ノルマ》の師であるデヴィーアさんはどういう存在か?」などの問いに対して、3人は時折楽しいジョークも交えながら、井内美香さんの巧みな通訳を介して、次々と答えが明かされていく。そして、そのやりとりが、そのまま今日聴く歌に関わってくるのだ。
●日本ヴェルディ協会の今日のイベントは本当に素晴らしいものであった。関係者の皆様に深く感謝申し上げたい。特に加藤浩子さんは、企画・交渉・調整・準備そして当日の司会まで殆ど全てをお一人で進められた方。来場者を楽しませようとする強い熱意と実行力に心から敬意を表したい。また、井内美香さんはトリエステ・ヴェルディ歌劇場来日公演に同行して、同劇場の通訳も担当されている方。ランカトーレさんがあれほど心を開いて熱く語り、こころを込めて歌ってくれたのは、彼女と井内美香さんの強い信頼関係があったからこそと思う。最大の功労者であるお二人に重ねて御礼申し上げたい。
●なお、日本ヴェルディ協会公式ブログに今回の記事が掲載されいるので、宜しければご一読ください。
⇒「ランカトーレ&ヴルタッジョ講演会」記事
(余談だが)
●実は、私も日本ヴェルディ協会の末席会員として、事前の打ち合わせや当日のお手伝い(案内係等)で少しだけ関わった。今日は来場者の方々に喜んでいただけて本当に嬉しい。
以上
●本講演会は、トリエステ・ヴェルディ歌劇場来日公演を記念して開催されたもので、出演者は同劇場の公演に出演中のデジレ・ランカトーレさん(ヴィオレッタ役)とフランチェスコ・ヴルタッジョさん(ジェルモン役)に加え、伴奏者としてピアニストのロベルト・モレッティさんの計3名。司会は著名な音楽評論家で日本ヴェルディ協会常務理事の加藤浩子さん、通訳は音楽ライター/オペラキュレーターで日本ヴェルディ協会会員の井内美香さん。出演者だけでなく、進行に携わるスタッフも超一流のメンバーだ。
●豪華なのはメンバーだけではない。今日のプログラムが実に素晴らしいのだ。講演会の域をはるかに飛び越えた本格的な声楽コンサート、いやそれどころか、一瞬、演奏会系形式オペラの会場にいるような感覚にも。歌われた曲は以下の趙有名な3曲。
1.《ラ・トラヴィアータ》第3幕より、
ヴィオレッタのアリア「さようなら、過ぎ去った日々よ」
2.《ラ・トラヴィアータ》第2幕より、
ヴィオレッタとジェルモンの二重唱「天使のような清らかな娘を」
3、《ノルマ》第1幕より、
ノルマのアリア「清らかな女神」
●1曲目の「さようなら、過ぎ去った日々よ」はランカトーレさんが《ラ・トラヴィアータ》の中で一番好きな曲だという。悲痛な気持ちを切々と歌う渾身の熱唱に涙がでそうになる。2曲目の「天使のような清らかな娘を」は20分にも及ぶ大曲。ヴィオレッタとジェルモンとの緊張感溢れるやりとりに会場からは驚嘆のため息が漏れる。そして大きなサプライズが3曲目の「清らかな女神」。何とヴェルディではなくベッリーニの曲でなないか。実は、ランカトーレさんは来年6月のパレルモ・マッシモ歌劇場来日公演《ノルマ》のタイトルロールで出演する予定であり、今日は一足先にその最も有名なアリアを披露してくれたのだ。会場からはまさに割れんばかりの拍手とBRAVAの声。
●曲の合間のトークも実に興味深いもの。加藤浩子さんから投げかけられる「ランカトーレさんにとっての《ラ・トラヴィアータ》への想いとは?」「ヴルタッジョさんはジェルモン役(今回初めて)をどういうイメージで捉えているか?」「モレッティさんにとってソロ演奏と伴奏との取り組み方の違いは?」「ランカトーレさんにとって《ノルマ》の師であるデヴィーアさんはどういう存在か?」などの問いに対して、3人は時折楽しいジョークも交えながら、井内美香さんの巧みな通訳を介して、次々と答えが明かされていく。そして、そのやりとりが、そのまま今日聴く歌に関わってくるのだ。
●日本ヴェルディ協会の今日のイベントは本当に素晴らしいものであった。関係者の皆様に深く感謝申し上げたい。特に加藤浩子さんは、企画・交渉・調整・準備そして当日の司会まで殆ど全てをお一人で進められた方。来場者を楽しませようとする強い熱意と実行力に心から敬意を表したい。また、井内美香さんはトリエステ・ヴェルディ歌劇場来日公演に同行して、同劇場の通訳も担当されている方。ランカトーレさんがあれほど心を開いて熱く語り、こころを込めて歌ってくれたのは、彼女と井内美香さんの強い信頼関係があったからこそと思う。最大の功労者であるお二人に重ねて御礼申し上げたい。
●なお、日本ヴェルディ協会公式ブログに今回の記事が掲載されいるので、宜しければご一読ください。
⇒「ランカトーレ&ヴルタッジョ講演会」記事
(余談だが)
●実は、私も日本ヴェルディ協会の末席会員として、事前の打ち合わせや当日のお手伝い(案内係等)で少しだけ関わった。今日は来場者の方々に喜んでいただけて本当に嬉しい。
以上
この記事へのコメント
コメントありがとうございます。本当に素晴らしい企画でした。これからも微力ながらお役に立てればと思っております。