武蔵野合唱団第52回定期演奏会(カルミナ・ブラ―ナほか)に行く

●2019年10月3日(木)、武蔵野合唱団の第52回定期演奏会に行った。会場は東京芸術劇場のコンサートホール。演目はチャイコフスキーの大序曲「1812年」と、オルフの世俗的カンタータ「カルミナ・ブラーナ」という魅力的な内容だ。主役である武蔵野合唱団はもちろん、4名のソリストの方々、そして小林研一郎氏が指揮する読売日本交響楽団の演奏も素晴らしく、とてもエキサイティングで感動的な演奏会であった。


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●武蔵野合唱団の歴史は長い。1955年に武蔵野市緑町の市民サークルとして誕生し、何と64年以上もの活動歴を持つ。この間、小林研一郎氏の指導を受けるとともに、著名な指揮者を招いた国内外のオーケストラとの共演を継続的に行ってきた。まさに実績、実力ともに日本を代表するアマチュア合唱団と言えよう。

●それでは、曲目ごとにその様子や感想などを記してみよう。

<チャイコフスキー 大序曲「1812年」作品49>

◇この曲は何度も聴いていてもう聴き飽きたと思っていた。しかし今日、生演奏で聴くと新しい発見がいくつもあってとても楽しい。どうやらとんでもない勘違いをしていたらしい。

◇合唱は冒頭すぐに始まるが、奥行き深く神々しくて且つドラマチック。これに対しオーケストラは疾走感ある小気味よいシャープな演奏で、強弱のメリハリも効いている。この曲ではすべての楽器が活躍し主役となる。流れるような弦楽器、咆哮する金管楽器、色っぽい木管楽器、そして歯切れ良い打楽器といった具合だ。

◇この曲のラストは圧巻だ。ここで再び合唱が参加する。また金管楽器の8人(トランペット、トロンボーン)はステージ後方上のオルガンの前に陣取り雄叫びを発し、大砲役の大太鼓も期待通りの「発砲」。まさにオーケストラと合唱との緊張感に溢れた競演だ。この曲における合唱の重要さを再確認した瞬間でもあった。

<オルフ 世俗的カンタータ「カルミナ・ブラーナ」>

◇私はこの曲がとても好きだ。中学生時代に初めてレコード(CDではない!)を聴いた時の驚きと感動は今でもはっきり覚えている。こんな面白いクラシック曲があるのかと。

◇この曲は、『序(第1曲~第2曲)』『初春に(第3曲~第10曲)』『酒場にて(第11曲~第14曲)』『愛の誘い(第15曲~第23曲)』『エピローグ(第24曲)』からなる。各々の曲で歌われ奏でられるのは、宗教的な内容はほんの一部で、主として辛辣な風刺や熱い恋愛に関わるもの。

◇曲の表情は次々に変化する。野性的であったり、厳粛であったり、静謐(せいひつ)であったり、楽しげであったり、喜びに満ち溢れていたり、そしてはっとするほど優雅で美しかったりもする。粗野さと洗練さとが見事に同居し、個々の人々の営みから壮大な宇宙の広がりまで感じられる稀有な音楽。しかも誰にとっても分かりやすい。

◇合唱のクオリティはアマチュアとは思えないほどの高さ。カルミナ・ブラーナは得意な曲なのだろう。聴いていて本当に心が躍る。全員が暗譜というのも驚きだ。当日配布のプログラムに「男声・女声が時には競い、時には誘い、時には寄り添う・・・」との記載があったが、まさに言いえて妙だと思う。なお、一曲あった男声合唱のアカペラも秀逸であった。

◇合唱と独唱、そして合唱とオーケストラとの関係でも「男声・女声」と同様のことが言える。「競い」「誘い」「寄り添い」にほか、さらに付け加えるなら「かけあい」だろうか。合唱や独唱とオーケストラとの絶妙なバランスは奇跡的と言ってもいいほど。もちろんオーケストラの演奏は申し分ないもの。

◇ソリストの方々も素晴らしい。バリトンの大沼徹さんは最も出番が多く、終始、朗々とした堂々たる歌いっぷりで聴く者を圧倒。ソプラノの澤江衣里さんは伸び伸びとしたよく通る美しい声で表情も豊か。大沼徹さんとの歌のやりとりも聴きどころだ。テノールの高橋淳さんは出番こそ少ないが存在感は抜群。顔の表情や身振り手振りなど全身を使った迫真の演技にただただ脱帽だ。

◇児童合唱のフレーベル少年合唱団も大健闘。清らかな歌声で観客を楽しませてくれた。

●武蔵野合唱団には、私の元職場の友人が参加している。本演奏会にお誘いいただいたその友人に心から感謝申し上げたい。

以上

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