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zoom RSS 佐藤二葉著『うたえ!エーリンナ』を読む

<<   作成日時 : 2018/08/10 20:08   >>

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●2018年8月10日(金)、佐藤二葉さんが描いた漫画『うたえ!エーリンナ』(星海社COMICS:講談社)を読んだ。とても楽しく、そして深く心に響く傑作。漫画が好きな人はもちろん、普段は読まない人(私もその一人)も是非手に取ってほしい作品だ。

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●エーリンナは古代ギリシャに実在した女流詩人(紀元前4世紀)。本作品は、そのエーリンナの多感な少女時代を生き生きと描くもの。彼女は詩人になりたいとの志を立て、名高い女流詩人サッポーが営む女学校の門を叩く。ここで彼女は、師であるサッポーの教えや、先輩・同僚との様々な交流を通じて日々成長していく。クライマックスは合唱コンテストへの出場だ(古代ギリシャにおいては詩と歌は一体)。エーリンナは独唱パートという大役を任されるが、はたしてその結果はいかに。というストーリー。基本はユーモア溢れる楽しい描きぶりだが、ここぞという所で思わず感動してしまう。読後の爽やかさは最高だ。

●なお、本当はエーリンナとサッポーは同時代人ではない。本作品の設定は、ビザンチン帝国時代編纂の事典「スーダ」の誤記を「逆手」にとったもので秀逸なアイデアだ。著者の佐藤二葉さんの博識・多才ぶりにも驚くばかり。作品の随所で、古代ギリシャの社会や文化に関する話題が分かりやすく挿入されている。もっとも彼女の略歴を観れば納得も行く。佐藤二葉さんは、ギリシャ悲劇の研究者、演出・出演等を一人でこなく「ひとりギリシャ悲劇」の主宰、竪琴リュラ―奏者、大学講師等の多くの顔を持つのだ。本作品の絵のクオリティも高い。とても本作品が漫画家デビュー作とは思えない。

●最後に一言。登場人物の一人、エーリンナを支える友人のバウキスがとてもチャーミングだ。彼女は実在の人物であり、エーリンナの悲詩「糸巻竿」によれば、19歳で夭逝したらしい。心が痛むが、エーリンナが詩でバウキスの死を悼んだからこそ、彼女の名を後世の人が知ることになったのだ。この作品と同様に二人の間に熱い友情があったことが察せられ、救われるような気持になった。

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