天然工房『ピーチ・ボーイズ』を観る

●6月11日(土)、中野BONBONで、劇団「天然工房」の演劇公演『ピーチ・ボーイズ』を観た。とても面白かった。この劇団は、すでに11年もの活動歴があるという。しかし、私が知ったのは、つい最近のこと。先日行った「イキウメ」の演劇公演『散歩する侵略者』(ブログ記事はこちら)で配布されたチラシがとても印象的だったので、いわば「思いつき」で観ることになったのだ。そして、結果は「二重丸」。だから、こうした「選び方」もやめられない。
画像

●ストーリーは、なかなか込み入っている。いわいる「劇中劇」を扱うものだ。ある劇団が、昔話の桃太郎をローマ風に演じようとする話。主役の桃太郎役の女性の父親が劇団のスポンサーであるという裏事情もある。だから実力ある役者を桃次郎役で配した。公演直前、座長が「うそをつくな」「自分自身に正直な芝居をしろ」と檄を飛ばしたところ、各役者がこの言葉を勝手に解釈したことから、第一回目の芝居は大混乱に陥る。

●お婆さん役の女性はいつまでも若くありたいと願い、犬役の男性は任侠の世界に憧れ、キジ役の男性は日本語を話すことに違和感を感じ、猿役の男性は酒を飲めば正直な自分になれると信じ、そして鬼役の女性は戦いに勝つためには手段を選ばないと決意したからだ。さらに、桃太郎が生まれる際にお婆さん役の女性が「せいのっ」のセリフを忘れたため、桃太郎役の女性は頭が真っ白になってしまう。

●困った座長は、明日の第二回目の公演に備え、一人一人と面接し、今日の演技を問いただす。実は、芝居の大混乱ぶりは、この面談の中で語られ、観客の前に生き生きと再現されるのだ。まさに絶妙な場面転換と言える。全員との面接を終えた座長は、観客のアンケート結果を見て、意外に評判が良かったことを知る。そこで座長は考えを変え、今日の芝居をベースに更にストーリーに手を加えようとする。はたして、明日の芝居はどうなってしまうのだろうか。

●主演は、松田信行、中谷千絵、平川真司、田丸大輔、中倉香織、瀬戸弘司、塚本康博、手塚美南子、元田牧子の皆さん。脚本は瀬戸弘司さん。演出は森角威之さん。

●この劇団、この作品の魅力は何だろう。たくさんある。まず第一にストーリーの面白さ、第二にテンポの良さ、第三に個々のセリフのユーモアセンス、第四に役者一人ひとりの強烈な個性、そして最後に、芝居を観終わった後に残る「幸福な気分」だと思う。公演の後には、おまけとして「即興の芝居」も見せtくれる。観客への徹底したサービスぶりには、本当に頭が下がる。だから、観客席は演劇好きの若い男女でいっぱいだ(私はおそらく最年長だったかも知れない)。「天然工房」、それは、芝居の楽しさを感じさせてくれる素晴らしい劇団だ。

以上

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

ナイス ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック